患者の健康状態のモニタリング

ダウン症患者の特別な医療ニーズの見地から、早期発見と治療期間の一体化のため、米国小児科学会は2003年にダウン症患者の健康状態のモニタリングに関するガイドライン(Health Surveillance for Down syndrome)を提出し、2011年に改訂されました。
 
年齢:出生時
項目 推奨
先天性心疾患 心臓の雑音の有無にかかわらず、小児心臓医師による評価
染色体検査 転座型の場合、両親ともに染色体検査を受けなければなりません
聴力スクリーニング検査 遅くとも6ヶ月前までに聴力検査(ABR or OAE)をする必要があります
視力検査 遅くとも6ヶ月前までに検査をする必要があります(白内障、眼球振盪、斜視)
先天性甲状腺機能低下症 新生児スクリーニング検査(TSH)の結果を確認してください
血液検査 CBC/DC, Hct, Platelet
年齢:1歳未満
項目 推奨
甲状腺機能スクリーニング検査 半年ごとに(TSH, free T4)、異常がある場合は甲状腺検査および抗体セットでの評価が必要です
摂食状況 小児科医師による評価
早期療育評価 リハビリテーション科医師による評価
呼吸の問題 小児科医師による評価(Tracheomalacia


 
年齢:1歳から12
項目 推奨
栄養と成長 毎年小児科医師による評価
睡眠の問題 毎年小児科医師による評価(Sleep apnea)、4歳時に睡眠検査をしてください
感染 肺炎レンサ球菌やインフルエンザワクチンの接種を推奨します。免疫機能低下(IgG4 deficiency)の有無に注意してください
頸椎の安定性 小児科医師による評価、3歳から5歳の間に最初の頸椎レントゲン写真を撮る必要があります
早期療育と学習能力の評価 小児科とリハビリテーション科の医師による評価。5歳時に個別の教育計画を作成してください
中耳炎/聴力障害 3歳までは半年ごと、以降は毎年小児科医師による評価と耳鼻科による立会診察を受けてください。風邪の際は中耳炎と副鼻腔炎に注意してください
歯周病 半年ごとに歯科医師による検査
視力の問題 1歳から5歳までは毎年、以降は2年ごとに眼科医師による検査
甲状腺機能 半年から1年ごとに(TSH, free T4)、異状がある場合は甲状腺検査および抗体セットでの評価が必要です
 
年齢:12歳から18
項目 推奨
角膜角化症/白内障 3年ごとに眼科医師による検査
聴力障害 毎年耳鼻咽喉科医師による検査
栄養と成長 毎年小児科医師による評価
甲状腺機能 半年から1年ごとに(TSH, free T4)、異状がある場合は甲状腺検査および抗体セットでの評価が必要です
歯周病 半年ごとに歯科医師による検査
頸椎の安定性 小児科医師による評価と神経学的検査を受け、頸椎レントゲンのフォローアップが必要かどうか決定してください
リハビリテーション評価 毎年小児科医師による生計能力の評価
睡眠の問題 毎年小児科医師による評価(Sleep apnea


 
年齢:成年
項目 推奨
栄養と退行 毎年医師による評価(dementia
甲状腺機能 毎年医師による採血検査
心臓 毎年医師による評価
頸椎の安定性 毎年医師による評価と神経学的検査を受け、頸椎レントゲンのフォローアップが必要かどうか決定してください
角膜角化症/白内障 3年ごとに眼科医師による検査
聴力障害 3年ごとに眼科医師による検査
乳房検査 毎年医師による評価
歯周病 半年ごとに歯科医師による検査
睡眠の問題 毎年小児科医師による評価(Sleep apnea